香港のグレート・イーグル・ホールディングスが東京・六本木四丁目で進めてきたホテル開発について、傘下のラングハム・ホスピタリティ・グループ(LHG)は2025年4月28日の公式リリースで、ブランドを「ザ・ラングハム 東京(The Langham, Tokyo)」とし、2031年に開業予定と明らかにしました。設計は隈研吾建築都市設計事務所で、客室数は270室の計画です。グレート・イーグルが2025年年次報告書で挙げる運営都市に日本は含まれておらず、実現すればザ・ラングハムの国内1号となります。
用地の取得は2015年で、当初は2020年の開業を見込んでいました。解体は2017年に終わったものの、建設費の高騰で着工に至らないまま10年余りが経過しています。
注目ポイント3選
① 隈研吾建築都市設計事務所が「ねじれた樹木」に着想を得た超高層タワーを設計します
LHGのリリースによると、建物は「ねじれた樹木」の形に着想を得た独特のジオメトリーを持ち、周囲の公園から生え出るように見える超高層タワーとして計画されています。ファサードはカーテンウォールに木目調のアルミルーバーを重ね、足元の低層部には壁面緑化を施す設計です。隈研吾建築都市設計事務所はLHGが2030年開業予定とするザ・ラングハム シアトルの設計も手がけており、同ブランドで2件目の起用となります。

② 270室のフラッグシップとして、国内1号のザ・ラングハムになる計画です
LHGは2025年4月28日の公式リリースで、ブランドを「ザ・ラングハム 東京」とし、2031年に開業予定と明らかにしました。グレート・イーグルはこのホテルを「270キーのフラッグシップホテル」と位置づけています。敷地は東京ミッドタウンに近い六本木四丁目の一角で、隣接区画を買い増して容積率の引き上げを申請しており、引き上げ後の延床面積は約38万平方フィート(約3万5,300㎡)です。実現すればザ・ラングハムの国内1号となります。
③ 建設費の高止まりが続き、設計の見直しや代替案の検討が進められています
用地の取得は2015年で、当初は2020年の開業を見込んでいましたが、建設費の高騰で着工に至らないまま10年余りが経過しています。グレート・イーグルの2026年中間報告書は、計画申請を済ませ、ゼネコンを起用してVE(バリューエンジニアリング)を進めてきたものの、建設費が高止まりしていると説明しています。設計の見直しのほか、ホテルと高級レジデンスの複合開発案や投資家との提携も検討されており、同報告書には開業年の記載はありません。
計画の経緯
グレート・イーグルは毎年の年次報告書でこの案件の進捗を報告しており、客室数や事業費、着工見込みの変遷をたどることができます。
- 2015年7月:グレート・イーグルが用地を222億円で取得する契約を締結。当時のブランドは「ランガム・プレイス」、延床面積は約35万平方フィート、2017年着工・総投資額約480億円の計画でした。決済は2015年12月の予定でしたが、売主側の要請で2016年6月まで延長されています
- 2016年6月:用地の取得が完了。この時点の開業見込みは2020年です
- 2017年:隣接する小規模な3区画を買い増し、既存建物の解体が完了。隈研吾建築都市設計事務所の起用が決まり、250室・総投資額約490億円の計画に改めました
- 2018年:容積率の引き上げを見込んだ計画申請を行政に提出。延床面積は約37万9,100平方フィート、客室数は280室となり、2019年第2四半期に施工者入札、2020年着工を予定していました
- 2019年5月:施工者入札を開始。応札額が予算を上回ったため、建設費の圧縮作業に入ります
- 2021年:客室数を270室に変更し、包括的なVE(バリューエンジニアリング)を実施
- 2022年:ゼネコンを起用してVEを継続。採算に合う建設費で合意できるまで着工しない方針を示しました
- 2023年:ホテルと高級分譲住宅を組み合わせた複合開発案の検討を開始
- 2024年:地元の開発経験を持つ投資家との提携交渉が進行中と報告
- 2025年4月:LHGが「ザ・ラングハム 東京」の名称と2031年開業予定を公表
- 2025年〜2026年:グレート・イーグルは設計の見直しと代替案の検討を継続。投資家との提携は「交渉中」から「選択肢として検討」という書き方に変わっています
周辺エリア
六本木四丁目は六本木交差点の北東側に広がる一帯で、東京ミッドタウン、六本木ヒルズ、国立新美術館などが徒歩圏に集まります。六本木ではこの数年、森ビルの六本木五丁目西地区再開発に入る「ローズウッド東京」(2030年度以降開業予定)や、カーズナー・インターナショナルの「SIRO Roppongi, Tokyo」(2029年開業予定)など外資系ホテルの計画が相次いでおり、ザ・ラングハム 東京もその流れの中に位置づけられます。
アクセス
所在地:東京都港区六本木四丁目(地番は未公表)
- 東京メトロ日比谷線・都営大江戸線「六本木」駅が最寄り(徒歩分数は未公表)
- 東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅も徒歩圏
施設概要
| ホテル名 | ザ・ラングハム 東京(The Langham, Tokyo) |
|---|---|
| ブランド | ザ・ラングハム(The Langham Hotels and Resorts) |
| 所在地 | 東京都港区六本木四丁目(地番は未公表) |
| 客室数 | 270室 |
| 延床面積 | 約38万平方フィート(約3万5,300㎡、容積率引き上げ後) |
| 階数・高さ | 未公表 |
| 用地取得 | 2015年7月契約、2016年6月取得完了(取得額222億円) |
| 設計 | 隈研吾建築都市設計事務所(Kengo Kuma & Associates) |
| 施工会社 | 不明(ゼネコンを起用して検討中と公表、社名は未公表) |
| 事業者 | グレート・イーグル・ホールディングス(Great Eagle Holdings) |
| 運営 | ラングハム・ホスピタリティ・グループ(Langham Hospitality Group) |
| 開業予定 | 2031年(LHG公式リリース、2025年4月28日時点) |
出所
- Langham Hospitality Group 公式リリース「Architecture Leadership in Focus with Naming of New Langham Luminaries」(2025年4月28日)
- Great Eagle Holdings 中間報告書 2026(Interim Report 2026)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2025(Annual Report 2025)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2015(Annual Report 2015)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2016(Annual Report 2016)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2017(Annual Report 2017)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2018(Annual Report 2018)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2019(Annual Report 2019)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2021(Annual Report 2021)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2022(Annual Report 2022)
- Great Eagle Holdings 年次報告書 2024(Annual Report 2024)
- Great Eagle Holdings 2023年通期決算発表(2024年3月6日)