2026年4月23日、Conrad Athens The Ilisian(コンラッド アテネ ジ・イリシアン)がアテネに開業しました。開業日は、前身のヒルトン・アテネが1963年4月に初めてゲストを迎えた日にちなんでいます。ヒルトン・アテネは2022年1月に改修のためクローズし、約4年におよぶ大規模再開発を経て、コンラッドブランドのギリシャ初進出物件として生まれ変わりました。
複合再開発「THE ILISIAN」全体の投資額は約3億4,000万ユーロで、ピレウス大学の試算によれば開業後5年間の経済波及効果は12億5,000万ユーロを超え、運営段階で約800人の直接雇用が生まれるとされています。所有・運営はギリシャのIonian Hotel Enterprises(IHE)S.A.で、開発と運営はIHEの株主でもあるĒNSOFI Groupが主導しています。

外観を支配するのは、1963年の開業当時から変わらない620㎡の彫刻大理石ファサードです。ギリシャ現代美術の先駆者ヤニス・モラリスが手がけたこのレリーフは、古典神話へのモダニストの讃歌として保存されました。夜になると、エミー賞を受賞したライティングデザイナーEleftheria Dekoによる照明演出でファサードが浮かび上がり、光のインスタレーションとして街に新たな表情を見せます。建物自体はギリシャの戦後モダニズム建築を代表する構造物で、当初の設計者はEmmanuel(Manolis) Vourekas、Prokopis Vassiliadis、Antonis Georgiades、Spyros Staikosの4氏です。改修のリードアーキテクトはアテネのAETER Architectsが務めました。
インテリアはAvroKOがアテネのモダニズム黄金期の楽観主義を現代的に読み替え、保存された1960年代のミッドセンチュリー要素に新たなコミッションアートを重ねています。アテネの老舗アトリエSaridisのビスポークピースや陶芸家Eleni Vernadakiの作品が随所に配され、アートキュレーターのMare Studioがロビーとの対話を設計しました。建物全体が「野外ギャラリー」として機能する構成です。


食の陣頭に立つのは、アテネで初めてミシュラン二つ星を獲得したシェフAngelos Lantosです。フラッグシップのByzantino Grande Brasserieはギリシャ初のグランドブラッセリーとしてフランス料理とギリシャ料理を対等に並べ、チーズマスターによるペアリングや厳選ワインリスト、館内のショコラトリー&パティスリーで食体験を完結させます。インテリアはフランス人インテリアアーキテクトのTristan Auerが手がけ、クラシックなブラッセリーの格式を現代アテネの視点で再解釈しています。終日利用できるAthenian Loungeはクラシックカクテルと定番料理で街の待ち合わせ場所として機能し、Yabu Pushelberg設計の日本料理店Onuki(2025年オープン)はモダン和食を提供します。プールサイドのイタリアンレストランAncora Un Poも加わり、2026年中には往年の名所だったルーフトップバー「Galaxy Bar」がGalaxy Dispensary & Galaxy Supper Clubとして復活する予定です。全体で9つのダイニング・バーコンセプトが揃います。


ウェルネス施設の中核となるのが、アテネ最大の屋外プールランドスケープ「Oasis」です。プライベートカバナとサンラウンジが広がり、都市の中心にいながらリゾートのような時間を過ごせます。その上層には700㎡のグリーンルーフが設けられ、市街のパノラマを望むランニングトラック、屋外ジム、時間制のピックルボールコートが配置されています。屋内のウェルネスゾーンには専門ジム、ヨガ・ピラティス・ジャイロトニック・スピニング専用スタジオ、加温プール、ヒート&コールドセラピーエリアが揃います。



2026年5月からはスパOdei Wellness Residenceが第1期として開業し、古代ギリシャの儀式に着想を得たフェイス&ボディトリートメントを提供しています。年内にはロンジェビティ(長寿医学)の専門家Dr. Costas Papageorgiou氏によるプログラムも加わる予定です。宿泊施設としては278室のゲストルーム&スイートを擁し、Presidential Suite3室、Royal Suite1室に加え、プライベートプールを備えたOmega Penthouseが2026年中に登場します。上層階にはConrad Residences Athensと、Ilisianタワー最上部4フロアを占めるWaldorf Astoria Residences Athensも併設されています。


周辺エリア
ホテルが建つイリシア地区は、アテネ中心部を東西に貫くヴァシリシス・ソフィアス大通り沿いに位置し、リカヴィトスの丘のふもとにあたります。高級住宅街のコロナキやカフェ文化が根づくパングラティに隣接し、ベナキ美術館やキクラデス博物館、国立庭園へも徒歩圏内です。
アクロポリスやプラカ地区といった主要観光地へは車で約10分と、観光拠点としての利便性も高いエリアです。地下鉄M3(ブルーライン)のEvangelismos駅が近く、空港からは地下鉄1本でアクセスできる点も、都市型リゾートとしての使い勝手を高めています。
アクセス
所在地:Leof. Vasilissis Sofias 46, Athens 11528, Greece
- 地下鉄M3(ブルーライン)Evangelismos駅から徒歩約5分
- アテネ国際空港(ATH)から車で約35〜40分
- アクロポリスまで車で約10分
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施設概要
| 正式名称 | Conrad Athens The Ilisian(コンラッド アテネ ジ・イリシアン) |
|---|---|
| ブランド | Conrad Hotels & Resorts(ヒルトン) |
| 所在地 | Leof. Vasilissis Sofias 46, Athens 11528, Greece(イリシア地区) |
| 開業日 | 2026年4月23日(開業済み) |
| 前身 | ヒルトン・アテネ(1963年4月開業、2022年1月クローズ) |
| 客室数 | 278室(Presidential Suite3室、Royal Suite1室、Omega Penthouse〈2026年中開業予定〉を含む) |
| オーナー | Ionian Hotel Enterprises(IHE)S.A. |
| 開発 | ĒNSOFI Group |
| 運営 | ヒルトン(Conrad Hotels & Resorts) |
| リードアーキテクト | AETER Architects(アテネ) |
| オリジナル設計 | Emmanuel Vourekas、Prokopis Vassiliadis、Antonis Georgiades、Spyros Staikos |
| インテリアデザイン | AvroKO(全体)、Tristan Auer(Byzantino)、Yabu Pushelberg(Onuki)、Mare Studio(アートキュレーション)ほか |
| ファサード照明 | Eleftheria Deko & Associates |
| 施工会社 | 不明(公式発表なし) |
| ダイニング | 計9ベニュー:Byzantino Grande Brasserie、Athenian Lounge、Onuki、Ancora Un Po、Galaxy Dispensary & Galaxy Supper Club(2026年中復活予定)ほか |
| ウェルネス | Oasis(アテネ最大の屋外プール)、700㎡グリーンルーフ(ランニングトラック・屋外ジム・ピックルボールコート)、Odei Wellness Residence(2026年5月第1期開業)、屋内加温プール、各種スタジオ、ヒート&コールドセラピー |
| その他施設 | Conrad Residences Athens、Waldorf Astoria Residences Athens(Ilisianタワー最上部4フロア)、ボールルーム・イベントスペース、リテールゾーン |
| 総投資額 | 約3億4,000万ユーロ(THE ILISIAN全体) |
| 公式サイト | hilton.com – Conrad Athens The Ilisian |
(情報は2026年9月時点のものです。施設内容等は変更となる場合があります)
出所
- Stories From Hilton 「Conrad Athens The Ilisian Now Open」(2026年4月/公式プレスリリース)
- Ionian Hotel Enterprises プレスリリース 「THE ILISIAN – the new destination in Athens」(2024年6月/投資額・設計体制)
- Conrad Athens The Ilisian 公式サイト