シンガポール証券取引所上場のバンヤン・グループ(Banyan Group、SGX: B58)は2026年9月17日、南アフリカ・ケープタウンに本社を置くホスピタリティ運営会社ニューマーク ホテルズ&リザーブス(Newmark Hotels & Reserves)との戦略的パートナーシップと、同社の過半数株式取得を発表しました。段階的な出資構造を通じて、将来的に完全子会社化する枠組みです。これによりアフリカ7カ国の26軒のホテル・ロッジ・リザーブがバンヤン・グループの運営ポートフォリオに加わります。
注目ポイント3選
① アフリカ7カ国の26軒がバンヤン・グループの運営ポートフォリオに加わります
バンヤン・グループは2026年9月17日、ケープタウンに本社を置くニューマーク ホテルズ&リザーブスの過半数株式取得を発表しました。段階的な出資構造を通じて、将来的に完全子会社化する枠組みです。対象はモーリシャス、ナミビア、ナイジェリア、南アフリカ、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエの7カ国で運営される26軒です。取得後のポートフォリオは28カ国14のホスピタリティ・レジデンシャルブランドで、ホテル・リゾート・リザーブ約130軒、ブランデッドレジデンス30件超、スパ・ギャラリー140超の規模になります。取得価額は公表されていません。クロージング時期も発表されていません。
② ニューマークはコレクションブランドとして参画し、既存の運営体制を維持します
ニューマークはバンヤン・グループにコレクションブランドとして参画し、既存のブランド、チーム、ローカルな運営手法はそのまま維持されます。ニール・マルコヴィッツ氏と現経営陣による体制も継続します。予約面では自社ウェブサイトなどの直販チャネルを残し、既存の予約はこれまでの条件のまま履行されます。将来的にはバンヤン・グループの予約プラットフォームでの取り扱いと、会員プログラム「withBanyan」への参加が予定されています。
③ 私設ゲームリザーブやゴリラの生息地に建つロッジなど、自然・野生動物系の施設が加わります
ポートフォリオはヘリテージホテルやシティホテルから、自然・カントリーロッジ、アイランドリトリート、私設ゲームリザーブまで及びます。南アフリカ・ウォーターバーグのQWABIプライベート・ゲーム・リザーブは11,000ヘクタールに広がり、ウガンダではマウンテンゴリラの生息地であるブウィンディ原生国立公園の縁にGorilla Heights Lodgeが立地します。今回の買収で、バンヤン・グループの展開範囲はナミビア、ナイジェリア、ウガンダ、ジンバブエへ広がります。グレーター・クルーガー生態系のMotswariプライベート・ゲーム・リザーブは2026年に50周年を迎え、テーブルマウンテンの斜面にはFuture Found Sanctuaryがあります。

経営陣のコメント

バンヤン・グループ創業者兼エグゼクティブ・チェアマンのホー・クォンピン(Ho Kwon Ping)氏は「ニューマークがアフリカで築いてきた事業の強さと、それを形づくってきた起業家精神に確信を持って迎え入れます」とコメントしています。社長兼CEOのエディ・シー(Eddy See)氏は「アフリカはバンヤン・グループにとって長期的な成長市場です。ニューマークは確立された運営会社であり、オーナーとの長年の関係と強い運営力を備えており、当社のアセットライト戦略を強化します」と述べています。副CEOのホー・レンユン(Ho Ren Yung)氏は、自然・野生動物系のホスピタリティでは文化・地域社会・自然環境が体験の中核であるとして、各施設の個性と土地固有の感覚を維持する方針を示しています。ニューマークのマルコヴィッツ氏は「バンヤン・グループへの参画により、国際的なリーチとより広範な専門知識のネットワークを得られます」とコメントしています。
ニューマークのポートフォリオ:ケープタウンから私設保護区まで
ニューマークは2007年にニール・マルコヴィッツ氏が創業し、ケープタウンに本社を置きます。同氏のケープタウンでのホスピタリティ経歴は1990年に遡り、ヴィクトリア&アルフレッド ホテル(Victoria & Alfred Hotel)の総支配人を務めた経歴があります。1904年築の倉庫をコンバージョンしたこのホテルは、ケープタウンの港とテーブルマウンテンを望むV&Aウォーターフロントで最初に開業したホテルで、後にニューマークのポートフォリオに組み込まれました。


アフリカ市場での位置づけ
バンヤン・グループのアフリカにおける既存拠点は、モロッコ、モーリシャス、南アフリカ、タンザニアのホテル4軒とスパ4カ所で、バンヤンツリー タムーダベイ、マラケシュのリヤド群、アンサナ ヘリテージ コレクション、同グループ初のサファリロッジであるUbuyu, a Banyan Tree Escapeが含まれます。西アフリカにはベナンのDhawa Ouidahで進出する予定です。今回の買収により、ナミビア、ナイジェリア、ウガンダ、ジンバブエへと展開範囲が広がり、野生動物・自然系ホスピタリティの運営知見が加わります。

バンヤン・グループは市場環境として、UN Tourismの集計でアフリカの2025年の国際観光客到着数が前年比8%増の8,100万人と地域別で最も高い伸びを示したこと、WTTCが2026年の同地域の旅行・観光経済のさらに5.4%成長を見込んでいることを挙げています。なお本件では、Moelis & Company UK LLPがニューマーク側の独占ファイナンシャルアドバイザー、White & Case LLPが同社の法律顧問、WongPartnership LLPがバンヤン側の法律顧問を務めています。
施設概要
| 案件名 | バンヤン・グループによるニューマーク ホテルズ&リザーブスの買収 |
|---|---|
| 買収者 | バンヤン・グループ(Banyan Group/Banyan Tree Holdings Limited、SGX: B58) |
| 買収対象 | ニューマーク ホテルズ&リザーブス(Newmark Hotels & Reserves、南アフリカ・ケープタウン本社、2007年創業) |
| 取得形態 | 過半数株式の取得(段階的な出資構造により将来的に完全所有へ) |
| 取得軒数 | 26軒(ホテル・ロッジ・リザーブ) |
| 対象国 | モーリシャス、ナミビア、ナイジェリア、南アフリカ、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエの7カ国 |
| ブランドの位置づけ | コレクションブランドとして参画。既存ブランド・チーム・ローカル運営を維持。買収後のグループは28カ国14ブランド |
| 取得価額 | 不明(非公表) |
| クロージング時期 | 不明(非公表) |
| アドバイザー | Moelis & Company UK LLP(ニューマーク側ファイナンシャルアドバイザー)、White & Case LLP(同法律顧問)、WongPartnership LLP(バンヤン側法律顧問) |
| 発表日 | 2026年9月17日 |
出所
- バンヤン・グループ公式ニュースルーム「Banyan Group Announces Acquisition of Newmark Hotels & Reserves, Adding 26 Hotels, Lodges, and Reserves Across Seven African Countries」(2026年9月17日)
https://news.groupbanyan.com/271182-banyan-group-announces-acquisition-of-newmark-hotels-reserves-adding-26-hotels-lodges-and-reserves-across-seven-african-countries/