シンガポールに本社を置くラグジュアリーホテル運営会社COMO Hotels and Resorts(コモ ホテルズ アンド リゾーツ)は、オーストラリア・メルボルンのセントキルダ・ロードで進む複合開発「The Carter Building(ザ・カーター・ビルディング)」のホテル運営者に指名されました。開発を手がけるのはメルボルンのデベロッパーOrchard Piper(オーチャード・パイパー)とパートナーのThe Carter Group。総事業費3億豪ドル規模のプロジェクトで、ホテルは全102室、2028年初頭の開業が予定されています。COMOにとってはオーストラリア2軒目、東海岸初進出となります。

COMOは34年前にクリスティーナ・オン(Christina Ong)氏が創業した家族経営の企業で、現在は世界で18軒のホテル・リゾート・プライベートアイランドを展開します。イタリア・トスカーナの12世紀の邸宅を用いたCOMO Castello Del Nero、2026年春に開業した南仏サントロペ湾のCOMO Le Beauvallonなど、土地の文脈に応じて一軒ごとに性格を変えていく手法で知られます。オーストラリアでは2015年にパースの歴史的建造物ステート・ビルディングス内に開業したCOMO The Treasuryが最初の1軒で、メルボルンはそれに続く2軒目にあたります。CEOのオリヴィエ・ジョリヴェ(Olivier Jolivet)氏は、デザイン・食・文化で知られるメルボルンはCOMOにとって理想的な進出先だとコメントしています。

設計を担うのは、パースのCOMO The Treasuryも手がけたKerry Hill Architects(ケリー・ヒル・アーキテクツ)。メルボルンの建築的な出自に敬意を払い、外装にはブルーストーン(青石)を用います。インテリアは同事務所らしい文脈重視のアプローチで、控えめなラグジュアリーの「サンクチュアリ」を目指すといいます。ホテルが占めるのはビル低層の9フロアで、客室102室にはファミリー向けにカスタム設計されたスイートも含まれます。さらに同じ建物内には54戸のプライベートレジデンスが入り、居住者はCOMOのサービスやアメニティ、グローバル会員プログラム「Comoclub」を利用できる仕組みとなっています。

中核に据えられるのはCOMOのウェルネス概念であるCOMO Shambhala(コモ シャンバラ)で、建物の1フロアをまるごと占有します。現代科学と伝統的なヒーリングを組み合わせ、マッサージ、フェイシャル、個々に合わせたウェルネスプログラムを提供します。加えてサーマル体験を備えた20メートルの屋内ラッププール、最新設備のフィットネスセンター、宴会・多目的に使えるファンクションルームを整備。飲食部門はレストラン、カフェ、バーの3施設で構成され、宿泊者とレジデンス居住者だけでなく地域住民にも開かれます。メルボルンの多様なダイニングシーンを踏まえつつ、季節性と栄養価を重視した料理を打ち出すとしています。

Orchard Piperのディレクター、ルーク・マッキー(Luke McKie)氏は、近年メルボルンでは新規ホテルの開業が相次いだものの本当に良い立地のものは少ないとしたうえで、この物件は市内の主要イベントに向けて理想的な位置にあり、流行に左右されない落ち着いたラグジュアリー体験への回帰を示すものになると述べています。The Carter Buildingの建設工事は2025年8月に着工しており、ホテルの開業は2028年初頭が見込まれています。

注目ポイント3選
① Kerry Hill Architectsがパースに続いて設計、外装はブルーストーン
設計はKerry Hill Architects。パースのCOMO The Treasuryと同じ事務所が、オーストラリアのCOMOをもう1軒手がけることになります。外装にはメルボルンの建築的な出自を踏まえてブルーストーン(青石)を用いる計画で、ランドスケープはDangar Barin Smith Landscape Architectureが担当します。ホテルが入るのはThe Carter Buildingの低層9フロアで、客室は102室。ファミリー向けにカスタム設計されたスイートも含まれます。
② COMO Shambhalaが1フロアを占め、20メートルの屋内ラッププールを併設
ウェルネスの中心はCOMO Shambhalaです。建物の1フロアがまるごと充てられ、現代科学と伝統的なヒーリングを組み合わせたマッサージやフェイシャル、個別のウェルネスプログラムを用意すると発表されています。サーマル体験を組み合わせた20メートルの屋内ラッププールとフィットネスセンターも同じ建物に入る予定です。

③ 54戸のレジデンスと同居し、3つの飲食施設は地域にも開く
同じ建物には54戸のプライベートレジデンスが入り、居住者はCOMOのサービスやアメニティ、会員プログラム「Comoclub」を利用できる仕組みです。飲食はレストラン、カフェ、バーの3施設で、宿泊者と居住者に限らず地域住民も使える計画です。料理は季節性と栄養価を重視する方針が示されています。建設工事は2025年8月に始まっており、開業は2028年初頭の見込みです。
周辺エリア
敷地はメルボルン中心部の南に伸びる並木道セントキルダ・ロードに面します。開発側の説明によれば、周辺にはビクトリア国立美術館(NGV)、王立植物園、フォークナー・パーク、メルボルン・クリケット・グラウンド(MCG)といった文化・緑地・スポーツの拠点が集まり、メルボルンらしい生活圏を形成しています。
飲食面でも成熟したエリアで、Bistro GitanやFrance-Soirといった評価の高い店が近い。交通は複数のトラム路線が利用できるほか、建設中のアンザック駅(Anzac Station)が開業すればCBD方面へのアクセスがさらに向上する見込みです。
アクセス
所在地:448 St Kilda Road, Melbourne, Victoria, Australia
施設概要
| 名称 | COMO メルボルン(正式名称は未発表。建物名はThe Carter Building) |
|---|---|
| ブランド | COMO Hotels and Resorts(COMOグループ) |
| 所在地 | 448 St Kilda Road, Melbourne, Victoria, Australia |
| 開業予定 | 2028年初頭(2025年8月着工) |
| 客室数 | 102室(ファミリースイートを含む)※同じ建物内に54戸のプライベートレジデンスを併設 |
| 主な施設 | COMO Shambhala ウェルネスセンター(1フロア全体)、20メートル屋内ラッププール(サーマル体験付き)、フィットネスセンター、ファンクションルーム、レストラン、カフェ、バー |
| 設計監理 | Kerry Hill Architects(KHA)/ランドスケープ:Dangar Barin Smith Landscape Architecture |
| 施工会社 | 不明 |
| 事業主体 | Orchard Piper(パートナー:The Carter Group) |
| 運営 | COMO Hotels and Resorts |
参考価格
開業前のため参考価格は未定です。判明次第追記します。
出所
- COMO Hotels and Resorts プレスリリース「COMO Hotels and Resorts announced as the hotel operator for landmark Melbourne development」(2025年10月6日)
https://www.comohotels.com/press-releases - COMO Hotels and Resorts 公式サイト「New COMO Properties」
https://www.comohotels.com/new-como-properties - Orchard Piper 公式サイト「The Carter Building」
https://orchardpiper.com/projects/the-carter-building/